菱目打ちまで終わったらいよいよ手縫いをしていきましょう。
本記事では針と糸の準備から完成までを解説していきます。
※この記事は《レザークラフト入門編 後編》となります。
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完成までの流れ 後編 (針と糸の準備~コバ磨き)
作業⑥ 針と糸を準備する
まずはレザークラフト用の針と糸を準備しましょう。
初心者の方が初めて使う糸は既にロウ引きされたポリエステル製が使いやすいと思います。
ロウ引き糸とはロウソクのロウが塗ってある糸の事です。
糸にロウを塗ることで水に強く、毛羽立ちにくく、糸の耐久性が上がり切れにくくなります。
レザークラフト用の針は1本の糸の両端に針を付けて縫うので、最低でも2本必要です。
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針も真っ直ぐな手縫い張り、弧を描いたカーブ針など色々ありますが初心者の方はまず5~6㎝程度の真っ直ぐな手縫い針から始めた方がいいと思います。
レザークラフト用の針は裁縫用の針と比べ、先端が丸く針穴が丈夫なのが特徴です。
※菱目打ちで空けた穴に針を通すので、針先は尖ってなくて大丈夫です。
◆使用する道具
・革用スムース糸:ポリエステル製のロウ引きされた糸
・縫い針:レザークラフト用の5~6㎝程度の真っ直ぐな手縫い針
◆針のセット方法
①縫う辺の長さの3~4倍程度の糸を準備しましょう
POINT:厚手の革を縫う場合や革を3枚以上重ねて縫う場合は、糸が途中で足りなくなる場合があるので、革の厚みで糸の長さも調節しましょう。
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②糸の先を整えてから針穴に糸を通す
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③糸の端から5~6㎝の所に針を刺す。
POINT:できるだけ中心部分に針が通るようにしましょう
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④針に刺した糸を針穴の方にずらす
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⑤2つの糸をそれぞれ矢印の方に引っ張る
POINT:上の長い糸は青い線の方へ、下の短い糸は赤い線の方へ
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⑥図のようになっていたら完成。もう片方も同じ要領で針と糸を付けましょう。
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作業⑦ 革を平縫いする
平縫いは一つの縫い穴に表と裏の両方から順に針を通して縫う、レザークラフトでは基本的な縫い方です。
縫う順番と糸を引く力を気を付けて縫うことで、縫い目の揃った綺麗な仕上がりになります。
◆使用する道具
・作業⑥でセットした針と糸
・縫い穴を空けた革
◆平縫いの方法
①縫い始めの穴に針を通し、両方の糸の長さを同じにする
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②銀面側の針を隣の穴に通す
POINT:次の穴に進むときは必ず銀面の針から通す。順序がバラバラになると均一な縫い目が出来ません
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③床面を確認し先ほど銀面から通した糸を進行方向とは逆方向に引っ張る。すると穴が広がり前方に通り道ができるので床面の針を通す
POINT:菱目の穴の形に合わせ、少し斜め後ろに引っ張るとより美しい縫い目になります
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④糸を両方から引っ張り締める
POINT:毎回同じ力で引っ張ることで綺麗な縫い目になります
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②~④を繰り返して縫い進めましょう
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作業⑧ 縫い終わり
平縫いを進めていき最後の穴まで縫った後は、縫い終わりの作業となります。
強度を高めるために返し縫いをし、裁縫の玉止めとは違いレザークラフトでは糸を焼いて縫い終えます。
◆使用する道具
・作業⑦で平縫いした革
・ハサミ
・ライター
◆縫い終わり方法
①最後の穴まで縫い終えたら、銀面側の針を1つ前の穴に戻り縫う
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②床面の針も1つ前の穴に戻り縫う
POINT:1つ前の穴には糸が4本通った状態になります
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③再度銀面の針をもう1つ前の穴に戻り縫う
POINT:銀面のみ2つ前まで縫う。これで二つの糸が床面側に来るようになります
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④床面側に出た2本の糸を2~3㎜程度の長さになるようにハサミで切ります
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⑤ライターで残った糸をあぶり糸を溶かす。
POINT:ロウ引き糸はすぐ燃えるので注意
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⑥2~3秒溶かしたら、燃えている個所をライターの底で押し糸を革に接着させる
POINT:糸が長すぎたり、あぶり過ぎると黒く変色するので注意しましょう
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作業⑨ コバ磨き
縫い終えたら最後にコバ(革を切った側面)を整えて完成です。
コバにトコノールを付けて磨くことをコバ磨きと言います。
コバ磨きをすることで革の毛羽立ちを抑え、耐久性が上がり、2枚以上の合わせた革の合わせ目が分からなくなり美しく仕上がります。
◆使用する道具
・縫い終えた革
・へり落とし
・水
・トコノール
・カッター
・プレススリッカー
◆コバ磨きの方法
①コバの面を揃えるために、コバを切り揃える
POINT:切り過ぎに注意するため、目打ち等で裁ち線をつけて切りましょう
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②へり落としを表面のコバの角に当てて角を落とす
POINT:へりを落とすことで見た目も良くなります。ただし柔らかい革の場合、へり落としの難易度が上がるので注意しましょう
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③水を指先に付けコバに塗る
POINT:先に水を付けることでトコノールが浸透しやすくなります
④トコノールを指に付け薄くコバに塗る
POINT:銀面にトコノールが付かないように注意しましょう
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⑤4~5分放置してトコノールを半乾きの状態にする
POINT:余分なトコノールはティッシュなどでふき取りましょう
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⑥プレススリッカーをこすり合わせ磨いていく
POINT:プレススリッカーの溝を革に当てて角度を変えて磨くと磨きやすい
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⑦革の合わせ目が分からない程度になれば終了
POINT:磨く回数を増やすと美しさも増します
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作業①~⑨を繰り返す
一連の流れは以上となります。
この作業①~⑨を繰り返し完成させていきます。
まとめ
今回はレザークラフト初心者の方に革の準備から完成までを紹介しました。
レザークラフトでは小銭入れや財布、カバン等の様々なものを作ることができます。
作りたいものによって製作方法や難易度は変わりますが、基本作業は同じです。
まずは簡単な小物を作り基本作業をマスターして、徐々に難易度を上げていきましょう。
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