レザークラフトでよく使われる専門用語をまとめてみました。
日本のレザークラフトは元々アメリカやヨーロッパから入ってきた文化の影響を強く受けています。
その為レザークラフトを紹介する情報誌や記事などでは専門用語で書かれているものが数多くあります。
レザークラフトをよりよく知って楽しむために専門用語を解説します。
主なレザークラフト専門用語
粗裁ち
革を裁断するときに型紙よりも少し大きめに裁断する事。
裏貼り
床面にスエードなどの革を貼り合わせる事。
見た目も良くなり耐久性も高くなるメリットがある。
エイジング
ヌメ革を数年使い込むことによってアメ色に変化する事。
革独自の風合いも出て味のある革に変化します。
定期的にオイルを塗ってきれいにエイジングしてみましょう。
オーストリッチ
ダチョウの革のこと。
柔らかくしなやかで耐久性もあるのが特徴。革の中では高級素材。
カービング
銀面に切り込みや刻印を押し模様を描くこと。
バイカー系のロングウォレットなどでよく見られる技法。
カシメ
2枚以上の革や、革に別のパーツを固定する際に用いる専用の金属。
キーケースや財布の飾りなどで使われる。
付ける際は専用の道具が必要になります。
皮
動物から剥いだだけで、なめし工程の前の状態のもの。
革
皮をなめした後の状態の物。革=レザー
キッド
子供の山羊の革のこと。
ゴートに比べ薄く、表面がきめ細やかで美しいツヤと滑らかな肌触りが特徴。
銀面
革の表面。
毛穴があり肌触りも滑らかな面。
クロコ
ワニ革のこと。
高級素材で近年は輸入制限で養殖ものしか輸入されていない。
クロムなめし
クロム化合物に1日程度漬けてなめすので、タンニンに比べ早く大量の革を作る事が出来ます。
クロムなめしされた革は柔らかく伸縮性に優れていて、着色や加工しやすい事が特徴です。
コバ
革の切断面のこと。
トコノールを付けて磨くことで、美しさと耐久性が上がる。
ゴート
成長した山羊の革のこと。
表面にはシボと呼ばれる不規則なシワがあり人気がある。
耐摩耗性にも優れている。
コンチョ
バイカー系の財布によく使われているコイン型の半球状の金属。
コンチョにロープを巻き付けて使ったり、ジャンパーホックを付けて使われたりする。
シボ
銀面に見られる革独特のシワのこと。
革それぞれに個性的な表情があり、革を選ぶ一つの基準となる。
ジャンパーホック
スタジアムジャンパーなどによく使われているボタン。
バネホックとの違いは、ジャンパーホックの方が太くて足が長い。
そのため厚みのある革のホックに向いている。
すく
革の床面を削って厚みを調整する事。
2枚以上の革を重ねて縫う場合、すくことで厚みを調整したりします。
カッターや革包丁でもすくことは出来ますが、専用の道具もあります。
スタンピング
銀面に文字や図形の刻印を打って、革に模様を付ける事
スムースレザー
銀面をなめらかに加工された革の総称。
表面に毛穴や凹凸が少なく、なめらかな肌触りが特徴です。
タンニンなめし
タンニンなめしは昔から皮をなめす為に使われていた製法で、植物の樹皮から抽出したタンニンを含む溶液に何十日もかけて漬け込みます。
時間をかけてなめすので革への負担が少なく、革の芯までタンニンが浸透するので、なめし後は革の収縮が少なく堅牢で、長く使うほどに馴染んで深い色合いに変化していきます。
デシ
革の大きさの単位。1デシは縦10㎝×横10㎝。
床面
革の裏面。
ザラザラした触り心地の面。
中すき
革を溝状にすくこと。
革を折り曲げやすくする場合に使用します。
なめす
動物から剥いだ皮を腐らないようにし、加工しやすくする工程の事です。
なめすことで『皮』から『革』に変化します。
なめしは大きく『タンニンなめし』と『クロムなめし』の2種類あります。
ヌメ革
タンニンなめしのみの状態の革。
染色などを施していないので水や油に弱いですが、自然の革の状態に近いので革本来の風合いが楽しめます。
ハイド
25ポンド(約11㎏)以上の大きな革の事。
逆に25ポンドより小さい革をスキンと呼びます。
ハトメ
革をくり抜いた後に補強する円形の金具の事。
バックやベルトなどでよく使われています。
ハトメ抜やハトメ打具を使って付けます。
バネホック
コインケースなどによく使われているボタン。
ジャンパーホックとの違いは、バネホックの方が細くて足が短い。
そのため薄い革のホックに向いている。
平縫い
レザークラフトの基本的な縫い方。
糸の両端に針を通し、交差させて縫う。
ベタすき
床面全体を均一にすくこと。
広い面をすくことは時間もかかり難しいので、最初からすいた革を買うのをおすすめします。
ヘリ
革を裁断した際の裁断面の角の事。
通常はへり落としで角を落として滑らかにする。
ベロア
牛革の床面を毛羽立たせた加工をした革。
スエードよりも長い毛足持つものをベロアと呼びます。
本裁ち
粗裁ちをした後に型紙に沿って綺麗に切り出す作業のこと。
綺麗に本裁ちできるかで作品の出来栄えが決まります。
マチ
カバンなど革製品の側面にあたる部分の事。
マチの大きさでカバンの収容力が決まる。
ロウ引き
糸にロウを塗る作業。
最初からロウ引きされた糸もありますが、麻糸などでロウ引きされていない糸は自分でロウ引きする必要があります。
ロウ引きすることで縫いやすく糸の強度も上がります。